スーパーの冷凍食品コーナーで販売されている、冷凍野菜はなぜ解凍してもしなしなにならないのでしょうか?
その秘密はブランチングと呼ばれる調理技法にあります。
今回はそんなブランチングについて紹介します!
ブランチングとは?
ブランチングは食材を短時間加熱した後に冷やすまでの流れを行う調理法のことです。
加熱方法は熱湯で下茹でをしたり、高温の蒸気に当てるなど、食材全体に熱を入れる方法で行います。
冷やす際は急激に低い温度で冷やす方が保存性や鮮度維持に効果的な為、冷凍食品メーカーでは、業務用の急速冷凍機などを使用しています。
ブランチングの効果
食材の細胞組織を柔らかくし冷凍耐性をつける
食材を冷凍すると、食材の中に含まれている水分が凍り、食材の細胞を内側から傷つけてしまいます。そして解凍時に傷つけられた細胞から旨味や栄養が流れ出してしまい味や鮮度が落ちてしまうのです。
しかし、ブランチングで加熱を行うことで、食材の細胞組織が柔らかくなり、冷凍時に凍った水分が与えるダメージを吸収することができ、細胞破壊を最小限に抑えることができます。その為、解凍しても柔らかくしなやかな細胞の中に旨味や栄養が詰まっており美味しく食べることができるのです。
酵素の働きを抑えて食材の変色や食感の劣化を防ぐ
野菜はそのまま貯蔵していると酵素が働き続け変色や食感の変化などで劣化してしまいます。これは冷凍しても動きは止まらず進行してしまいます。
しかし、加熱処理を行うことで酵素の働きを抑える(失活)ことができ、劣化を防ぐことができるのです。
人参やほうれん草など緑黄色野菜の鮮やかな色を留めるためにもブランチングは効果を発揮します。
殺菌効果がある
熱湯で煮沸消毒を行うことと同じ原理で、食材を熱湯に当てることで殺菌効果があり食中毒を防ぎます。
熱湯に10秒当てることで食材全体の90%・1分で99%殺菌できると言われています。
向き不向きの食材もある
全ての食材がブランチングに向いている訳ではなく、食材に含まれている水分量等によって向き不向きが分かれます。
向いている食材
豆・芋・コーン・カボチャ・ほうれん草・ブロッコリー
→冷凍食品コーナーでよく見る印象ですね。
向いていない食材
きのこ・小松菜・玉ねぎ・トマト
→そもそも水分量が少ない食材はブランチングをする必要がなかったり、逆に水分量が多すぎてブランチングを行った際に形が崩れてしまい、見た目の維持ができないものなどが挙げられます。
冷凍食品の野菜はメーカーの高い技術力で美味しさを保っている
冷凍食品メーカーはこのブランチングの技術を用いて、鮮度や美味しさを保ったまま私たちの食卓へ届けています。
また、缶詰を生産する際もブランチングの技術は用いられています。
冷凍野菜より生野菜派だった方も一度食べてみてはいかがでしょうか?
きっとみずみずしい美味しさに驚きますよ!